正解がないならシェアしよう! 編集者のカンニングペーパー
CAIXA編集長の友光だんごです。「編集者」と名の付く仕事について8年くらいになるのですが……
記事書いたり編集したりするの、めちゃくちゃ難しくないですか?
何が一番難しいって、「正解がない」こと。
例えば、記事を書く際に「こうすると上手くいくよ」的なノウハウはあるっちゃあるのですが、全てに適用できるわけではない。なぜならインタビュー記事と一言で言ってもビジネスからエンタメ、ローカルのおっちゃん取材までジャンルが多岐にわたり、それぞれに最適な書き方は違うから……。
頑張っていたら自分なりに「最適っぽい書き方」は見つかるけれど、見つけたところでそれが正解なのかはわからない。なぜなら究極的には主観、つまり「俺はこう思うけど、YAZAWAはどうかな」みたいな話になってしまうからなんですね。これは記事のライティングだけではなく、編集においても同じです。
とまあ、わからないなりに日々うんうん唸りながら、その時々のベストを捻り出して記事を作っているわけです。
正解がなければ、ノウハウをシェアすればいいじゃない
さて、このCAIXAはHuuuuとモメンタム・ホースという2つの編集チームで運営しています。お互い20〜30代がメインの若いメンバーが中心で、結成から数年ほど。先日、何気なしに雑談をしていたら、共通する悩みがわかりました。
「新しく入ってきた人に記事の書き方や編集のやり方教えるの、めっちゃムズいよね」
そう、正解がないもののノウハウを教えるのってめちゃくちゃ難しいんです。各々が辿り着いた「今の自分にベストの方法」はあるものの、相手にとってそれがベストかはわからない。
『鬼滅の刃』でいうと、水の呼吸の剣士に炎の呼吸を延々教えてしまって全然合わない、俺は鬼殺隊に向いてないのでは……?なんてことが起きてしまう。炭次郎は二つの呼吸の合わせ技を編み出すことに成功しましたが、長男の炭次郎だから可能だったわけで。
さて、そこで考えました。人によって「ベストな方法」はどこかにある。そして、チームメンバーそれぞれの「現状でベストな方法」もある。であれば、その方法をみんなでシェアすればいいんじゃない? そのシェアされたノウハウが増えれば増えるほど、どこかに自分に合う方法が見つかるんじゃない?と。
「編集者のカンニングペーパー」はじめます
というわけで、このCAIXAでシリーズ連載を始めることにしました。
その名も「編集者のカンニングペーパー」。
緊張する取材に臨む5分前。あるいはどうにも上手く書けない原稿を前に、ウンウン唸ってどうしようもないとき。そんな時にスマホをそっと開いて、ちょっとしたコツを見て、少しでも勇気づけられたり、よりよい記事が生まれたりしてほしい。そんなカンニングペーパーのようなコンテンツをお届けしようと思っています。
名前は「編集者の〜」ですが、「企画/取材/執筆/編集」それぞれについての「自分なりの方法」をシェアすることが目的なので、ライターの方にもぜひ読んでほしいです。
チーム的な話で言えば、各々のノウハウを言語化&体系化することは、チーム内の教育における資産づくりになります。Huuuuとモメンタム・ホースの2チームはバックグラウンドや仕事の領域が全く異なるため、比較してみるのも面白そうだなと。
さらに、どうせならそれをコンテンツとして発信して、記事を読んだ世の編集者やライターの方たちが、SNSやnoteで自分なりの方法を発信してくれたら最高じゃないですか。広がるノウハウの輪。そして業界の知見も深まる……。
WEBの編集者・ライターという職業自体が生まれてから意外と年数が浅いんですよね。まだまだ業界として「上手くなるためのコンテンツ」が少ないため、そこに微力ながら貢献できたらな〜って気持ちもあります。せっかく編集チーム同士でやってるメディアですし、コロナで色々大変な世の中ではありますが、自分たちの本業についてコツコツ積み重ねていけたらという所存です。
文字起こし→原稿への過程、みんなどうやってる?
初回は「文字起こし→原稿の過程、みんなどうやってる?」がテーマです。
すでに取材済みなのですが、思ってた以上にみんなやり方が違うんですよね。さらにこの各々の書き方をビジュアル化して記事にすることを目論んでおり……4月中旬には記事を公開予定ですので、乞うご期待ください!
(文:友光だんご)